加藤捜査一課

「妙な話だな……どういうことなんだい」「星明りで、はっきりとアヤは見えなかったが、どこかやられたらしくて、フラフラになっていました……ガレージの横手からまわりこんで、勝手口からロッジへ入りました」「女はどうした?」「お見込みどおりでした。時間の打合せがあったのだとみえまして、女のほうが先に二階...

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明日の朝まで十二時間

「私の冠状動脈は紙のように薄くなっている。こんど発作をおこしたらもう助からない……明日の朝まで十二時間……それまで保合《もちあ》ってくれるかどうか、辛い話だよ」 大池は自首することにきめたらしい。すこしも早く警察と連絡をつけたいふうだが、湖水の近くで電話のあるところは、キャンプ村の管理事務所か伊東...

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大池は眼に見えて落着いてきた

 三十分ほどすると、大池は眼に見えて落着いてきた。荒い息づかいがおさまり、脈のうちかたもいくらか正常になったが、寒いのかとみえて、鳥肌をたててふるえている。 燃えさしの松薪を集めて煖炉を燃しつけにかかると、大池は恐怖の色をうかべて呻いた。「煙突から炎をだすと石倉がやってくる」 大池が石倉を恐れ...

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